当院の日帰り手術について
当院では、鼻や涙道の病気に対する日帰り手術を積極的に取り入れています。先進的な医療機器を導入した専用の手術室を完備し、外来診察から手術、術後のフォローまで一貫して行える体制を整えております。診断後、手術が必要と判断された場合には、速やかに治療を開始することが可能です。
局所麻酔による鎮静・鎮痛のもとで手術を行うため、全身麻酔と比べて体への負担が少なく、短期滞在(日帰り)での手術が可能です。術後は2〜3時間ほどベッドで安静にしていただき、出血がなく全身状態が安定していれば、その日のうちにご帰宅いただけます。
日帰り手術で対象となる主な疾患
日帰り手術の流れ
1外来診察
医師による診察で病状を確認し、手術の必要性を判断します。治療方針や手術内容、術前・術後の過ごし方について丁寧に説明し、ご理解いただいた上で手術日を決定します。
2術前検査
安全に手術を行うため、採血・心電図・画像検査(CTなど)を実施します。既往歴や持病に応じて全身状態も確認します。
3手術当日
- 手術開始の1時間前までにご来院ください。
- 前室にて点滴や術前処置を行い、準備が整い次第手術を開始します。
- 手術時間は疾患によって30分〜2時間程度です。
- 術後はベッドで2〜3時間安静にしていただきます。
- 出血や体調に問題がなければ、生活指導を受けたのちに帰宅できます。
4術後処置
翌日には再診で経過を確認します。その後も数回の外来通院で鼻の清掃やチューブのチェックを行い、術後の回復をサポートします。
日帰り手術を受ける際の注意点
日帰り手術は身体への負担が少なく、翌日からある程度の日常生活が可能です。しかし、手術そのものは通常の入院手術と同じ内容であり、術後管理が重要です。
- 術後1か月は外来での定期的な処置が必要です。
- 強い運動や長時間の入浴はしばらく控えてください。
- 帰宅時は、必ず付き添いの方と一緒にご帰宅いただきます。
日帰り手術が困難な場合
以下の持病がある方は、日帰り手術が難しいことがありますので必ずお申し出ください。
- コントロール不良の重度の喘息、高血圧、糖尿病
- 不整脈や心疾患、脳血管障害
- 重度の肝・腎障害
- 抗血栓薬(血液サラサラのお薬)を内服中の方
また、術後は「めまい」「吐き気」「出血」などが突然出現する場合があるため、帰宅後も異常を感じた際は速やかに医療機関へ連絡してください。
高額医療費制度について
高額医療費制度とは、同じ月(暦月)にかかった医療費が高額になった場合に、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。対象となるのは公的医療保険が適用される治療や入院費用で、年齢や所得区分によって自己負担の上限額が異なります。
たとえば、入院や手術で医療費が一時的に高額になった場合でも、一定額以上は負担しなくて済むため、経済的な負担を軽減できます。支給の方法は、まず医療機関でいったん通常どおりの自己負担分を支払い、その後に申請して超過分が払い戻される「償還払い方式」と、あらかじめ「限度額適用認定証」を提示して窓口での支払いを軽減できる方法の2種類があります。
また、同じ世帯で複数人が医療費を支払った場合や、複数の医療機関でかかった費用を合算できる場合もあります。さらに、1年間に3回以上高額療養費に該当した場合は、4回目以降の自己負担限度額がさらに下がる仕組みもあります。
制度の詳細や申請方法は、加入している健康保険(勤務先の健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険など)やお住まいの市区町村役場で確認することが必要です。
鼻・涙道の手術について
慢性副鼻腔炎(内視鏡下鼻副鼻腔手術)
慢性副鼻腔炎とは、鼻の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症や膿がたまり、長く続く状態です。一般には「ちくのう症」と呼ばれています。内視鏡下鼻・副鼻腔手術は、鼻の穴から細いカメラ(内視鏡)を入れて、炎症でふさがった副鼻腔を大きく広げる手術です。副鼻腔の通りを整えることで、膿がたまりにくい状態をつくることが目的です。顔を切る必要はなく、外に傷は残りません。副鼻腔の自然口を開けて、専用の器具で鼻茸や病的な粘膜を取り除きます。
日帰り手術を検討する目安
次のような場合は、薬だけでは改善が難しいことがあり、日帰り手術が選択肢になります。
- 1~3か月ほど薬を続けても鼻症状が改善しない
- CT検査でカビ(真菌)による副鼻腔炎が疑われる
- 「鼻茸(鼻ポリープ)」が多く、鼻づまりが強い
術後の治療と通院について
手術後も、回復を促し再発を防ぐための治療と通院が重要です。
- 術後数日間は、少量の出血や痛みがありますが、1週間ほどで日常生活への支障はほとんどなくなります。
- 数日後から鼻洗浄を開始します(1日2~3回)。術後に生じる粘り気のある痂皮や浸出液、パッキング材などを洗い流します。
- 正常な粘膜再生を促すため、術後もしばらく内服加療を行います。病理結果や術中鼻内所見により内服期間を決定いたします。
鼻中隔弯曲症(鼻中隔矯正術)
鼻の真ん中には、左右の鼻を分ける「鼻中隔」という仕切りがあります。鼻中隔が強く曲がっていると、鼻づまりの原因となる場合があります。お薬内服でも症状が改善しない場合、曲がった鼻中隔を整える手術を行うことで、症状の改善が期待できます。
手術は鼻内視鏡を用いて、すべて鼻内で行います。鼻の中から切開して、変形した骨や軟骨を取り除き、まっすぐに整えます。鼻の外からは見えないため、傷跡は残りません。鼻中隔の曲がりの程度や部位により、治療方法や治療効果程度に違いがありますので、気になる方はご相談ください。
術後の経過
- 鼻の中に挿入物を数日間入れて固定することがあります。
- 1週間程度は鼻づまりや軽い痛みがありますが、時間とともに改善します。
- 数週間で呼吸がしやすくなり、睡眠の質も向上する方が多いです。
アレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎(下鼻甲介手術)
アレルギー性鼻炎などでは治療しても鼻づまりが残る場合があります。そのような場合に行うのが、「下甲介」という部分を小さくして空気の通りを良くする手術です。下鼻甲介は、鼻の中で空気の通り道に関わる重要な部分で、アレルギーなどで腫れると、強い鼻づまりの原因になります。
手術の方法
鼻の中の状態に応じて、以下の方法から適切な治療を選択します。
- レーザーや高周波を用いて、粘膜や粘膜下組織を焼いて縮める方法
- 粘膜や骨を部分的に切除し、下鼻甲介のボリュームを減らす方法
いずれの方法も、鼻内視鏡を用いて鼻の中から行う手術で、鼻の外に傷が残ることはありません。
術後の治療と通院について
手術後も、回復を促し再発を防ぐための治療と通院が重要です。
- 数日間は少量の出血や痛みがありますが、日常生活への支障はほとんどありません。
- 数日後から鼻洗浄を開始します(1日2~3回)。
- 下鼻甲介はとても血流が多い場所ですので、術後数日は鼻血や、鼻の中が腫れて鼻づまりがあります。術後 1〜2 週間すると腫れも出血も落ち着いてきて、1 か月もすると鼻の通りも良くなります。
涙道閉塞:流涙症・涙嚢炎 (涙嚢鼻腔吻合術)
涙腺で作られた涙は、眼を潤して眼の内側にある「涙道」を経由して鼻内へ送られます。しかし、涙道の通過障害がある場合、涙が流れず流涙症に、そこに感染が生じれば涙嚢炎となります。涙道内にある鼻涙管の閉塞が通過障害の原因である場合、新たな涙の通り道を作成する手術(涙嚢鼻腔吻合術)を行うことで、これらの症状改善が期待できます。涙道は、眼と鼻にまたがっているため、耳鼻咽喉科と眼科の境界領域となります。
当院では2科の利点を生かして、鼻涙管閉塞症の治療に取り組んでいます。 当院では日帰り手術で「鼻内からの内視鏡下涙嚢鼻腔吻合術」を行っております。 「涙がこぼれる」、「視界がぼやける」等の症状は非常にストレスとなるものです。このような症状でお困りの方は、まずはご相談ください。